2015年12月15日

題詠blog2015 投稿全首

題詠blog2015 きむろみ全首。
カテゴリの「題詠まとめ」でも20首ずつ・5記事にわたって読むことが出来ます。

about this blog.のマイルールを五首選会用にあらため、自選五首記事にコメント・トラックバック欄を開きました。ふつつかなブログですがよろしくご笑覧ください。
以下全首。

001:呼
呼ぶ声と手のなるほうへ入相き などか無からむ人恋うこころ

002:急
急須から注がれてくるかなしみは受け止めきれぬほどの熱さで

003:要
それぞれに帰れる場所を持ちながら明日は要らぬと抱き合う小部屋

004:栄
「もう誰も愛さない」とかよく言うよ 懐かしく観る吉田栄作

005:中心
中心に火が通るまでよく熱し飛び立つときは不死鳥と呼ぶ

006:婦
カーテンの襞むらさきの一々を覚えさせらる婦人科の椅子

007:度
度を過ごす声を発せし男子(をのこご)の口元咲ふ大地讃頌

008:ジャム
やれるだけやってみますと言いかけて震えた指が落とす緋のジャム

009:異
それぞれを異物とみなす僕らにも1たす1が2になる予感

010:玉
かごめかごめかごのなかの白玉を数えるゆびが天に羽ばたく

011:怪
怪しさを引き剥がしたら滲むのは孤独であろう人とバス待つ

012:おろか
おろかさはピアノの蓋を開けたがり柩であると打たれて気づく

013:刊
クラッチの音ひとつまで朝刊と思い抱きてともに帰れる

014:込
つぶやくと引っ掻いてくる人込みの中に紛れたいい人ごっこ

015:衛
防衛のための拳は握られて生きづらいだけペプシ飲み干す

016:荒
今ひとり消せば荒野のアドレスに消しゴムのカスなくて寂しい

017:画面
画面には雪 見てますか、隠せない隠しごとたち集まりなさい

018:救
空腹な子を救うべく歩みゆく百円よりもチキンラーメン

019:靴
イタリアの靴イタリアのかたちして履けば異国のたましいの吾

020:亜
亜美ちゃんと言われる水の戦士居てこの国のどこか平和ぼける

021:小
その声も聞かず私を追い越して角に待つ鬼、小さき吾子よ

022:砕
高貴な食べ物のように摘まんでも蒼く砕けたじいちゃんの骨

023:柱
赤く塗り帆柱のごと二本立つ。くぐれば犬か狐に出会う。

024:真
真実はいつも一つと言う人も恋は一度じゃ終わらないこと

025:さらさら
さらさらと粉、雪、さとう、塩釜市、生きてくときのこわれゆくもの

026:湿
暗湿なところに住まい腹面の伸縮で這う雌雄同体

027:ダウン
余所事や壊れものごと包み往くホンダウンソウ・カブシキガイシャ

028:改
改造を終えた心でもう一度お花見に行く 寝ない子でいる

029:尺
地図を往く尺取り虫の指たちももうすぐ羽ばたくのだね、月曜

030:物
縦書きに流れる涙 この国の物は変われど変わりえぬ事

031:認
認めても認めなくても減る口をもたない父は要介護1

032:昏
こんこんと鳴くのはきつね昏々と眠るまで聴く家鳴り渡る夜

033:逸
ただ椅子に腰掛けている人波を逸れて目だけで駅員になる

034:前
百合さんが今際の際の手を前に伸べる こちらが明日なのだね

035:液
液状のいのちに肉をつけていく膨らむまでの刹那を愛す

036:バス
「トイレではなくバスである」厳かに探す薬局洗剤の棚

037:療
やわやわと歩かぬ吾子を抱えこし療育手帳の青を踏みつく

038:読
ぎくしゃくと木目の匂いさせながら声あげて読む人まで春だ

039:せっかく
せっかくの折り目をそっと撫でながら伸ばせば人も変わるだろうか

040:清
耳削いだ古書深海の紙魚になり ことばむさぼる児島清文

041:扇
まろやかな酢であるらしく扇ぐ手の二つゆっくり花ちらし寿司

042:特
特別な人を愛したわけでなく笑うと笑う縁を愛した

043:旧
手馴らしの余裕と言はばかもしらず旧きすだまをもて扱ひけむ

044:らくだ
まえうしろ前へ後ろへ吾は揺れらくだの背平ざらざらと触る

045:売
恋人を忘れられない胸穿ち染めた靴です、安く売ります

046:貨
ゆっくりと海へ引いてく貨物船ここから陸よまた満ちてゆけ

047:四国
別府から四国い見ゆる振り向けばきっと泣くけん海だけ見ちょる

048:負
ぬかるみに挑んで開く我が足の実のところは負け続けてる

049:尼
尼崎「が」の字どちらに入れるかと悩むケーキを切り分けながら

050:答
とい答え いとよりかけし白露のたまをも落とす その脆き縁

051:緯
太陽と名つく果実に刃を入れる北緯あたりは深く静かに

052:サイト
メモリアルサイトといえばぎこちなくあなたをよんでただ泣いてきた

053:腐
凍み豆腐、夢見るまえの手放しで泣いてたきみをボクは知ってる

054:踵
深深と踵踝あたりまで日日わたくしの煮こごり溜まる

055:夫
夫とは二人と書いてつまと呼ぶ おんな大の字、おとこ太の字

056:リボン
柘榴割れ零れるような微笑みにリボンをかけた女(ひと)でありたい

057:析
分析をすればするほどすればするほどしなくても分かりあえない

058:士
先端の反対側はこけし状、木製。武士の食べもの代わり。

059:税
税込みの弔いひとつ賄えり持たざるものの燃やす哀しみ

060:孔雀
されば問う「あなたが王か」虹ふるいミャオウと重ね宣ぶ孔雀よ

061:宗
八百万神すむ家に嫁ぎ来て死なば神なる祭祀宗教

062:万年
万年の雪に染まりし鳥なれば空のあをさもひきてゆかしむ

063:丁
心根の底打つ夜半にそとくゆる きみ振り返れ沈丁の花

064:裕
「ほんたうのなまゑは裕子、やさしゐこ」つかの間父の正気もどれば

065:スロー
来る年も三十一文字のスローガンに溢れ、歌は恐ろしきもの

066:缶
空き缶に蝶を閉じ込め埋めたのち土に喰はれるまでの秘め事

067:府
めざすもの何ひとつなく蚊柱の冥府に入れる よよ泣くは誰れ

068:煌
世に謳うコピー通りの煌めきを持たない糸できみと繋がる

069:銅
やがて生む銅の碧さも握りしめ貴方に貢ぐことに決めてる

070:本
恋に恋する日を待って本棚の氷室冴子は微笑んでいる

071:粉
蘇る大地を模してあらかじめ粉末スープが仮死する嚢

072:諸
諸々の事情が積もる明日には募る心も忘れてしまう

073:会場
どん底の気分で開く会場の扉が重くもしや底なし

074:唾
革ジャンのひだり唾液に染められて父匂うとは知っていたのに

075:短
潔い花火のように短くも貴方を照らす私であろう

076:舎
一生が勉強と云う学び舎を今日は行き過ぎ野に咲くあざみ

077:等
きっとまぶたの裏にいて滲んでは乾いてるんだ僕等の愛は

078:ソース
怒りには拳のほかに味がありソースいるかね酒いらんかね

079:筆
電脳の恋なればこそ筆跡の代わりに愛でるフォントメイリオ

080:標
道標。「太く真直ぐがいいね」と両腕を見る吾も看護師も

081:付 
取り取りの付箋を貼って読み終える本に極楽鳥が現る

082:佳 
人に土ふたつで「佳い」と読み人のあゆみ始めは星に吸はれる

083:憎 
愛ってば憎々しいの含んだり、跨ってたり、したり、するよね

084:錦 
けんけんぱ、越えてゆくのは手立てでしょう錦帯橋の丸い背に乗り

085:化石 
自意識は化石のように頑なで寂しい人とブランコを漕ぐ
 
086:珠 
「烏珠闇降下紅花巫女」てふ読みものの美しき
(「ヌバタマノヤミヲオリユクベニノハナミコ」てふよみもののうつくしき)
  
087:当 
私から剥ぎ取るものに当然のごとく私が含まれること

088:炭 
燃えさしの炭で描けばどの山も太郎眠らす冬の尾根なり

089:マーク 
あざやかな若葉マークがこちら向きこと問う本のかたちしている

090:山 
合はせ着てまた分かれ行く袖だにも背縫ひの山の知らずとも越ゆ

091:略 
「ニシキヘビ、ヤマアラシを飲み込んで死ぬ」略せられしかヤマアラシの死

092:徴 
きっと死ぬ徴をひとつ得て昼の診察室を晴れ晴れと出づ

093:わざわざ 
歌うのだざわざわざわと七月の瑞穂の海が 耳たぶ光れ

094:腹 
吸って吐くただそれすらも苦しげに蛇腹楽器は「エレーン」うたう

095:申 
万有に働くと云う引力は申し分なく恋を裏切る

096:賢 
臆病を取り柄と決めて五年(いつとせ)を賢く生きるはずの迂愚なり

097:騙 
騙された怒りもて剥く烏賊二杯シンクに落ちる余熱の蒼く

098:独 
まだ知らぬ独りになれる場所があり知らぬ誰かが訪ねてたりする

099:聴 
さようなら聴こえる人に手を振れば遠くのきみに届くおはよう

100:願 
「いつまでも願いかないませんよう」と流れる星は願うのでした
タグ:五首選会
posted by きむろみ at 19:07| 企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

五首選会に参加します。

はいほー通信の中村成志さんが企画する、≪題詠100首2015 五首選会≫に遅まきながら参加いたします。

ウェブ小説の感想も書く書く詐欺で貯まっているので大変心苦しいところですが、かたや本になってらっしゃる方、かたや完結に数年かけられた方ですもの。待っていて……いただけますよね?(滝汗)いや、それだけではないのですけど。しどろもどろ。

題詠blog2015の投稿歌や関連記事は「五首選会」のタグで検索いただくか、次記事「題詠blog2015 投稿全首」を。カテゴリの「題詠まとめ」でも20首ずつ・5記事にわたって読むことが出来ます。

さて宣言したものの、残り四日でどの方のブログに辿り着けますやら。
そろりそろりと、参ります。
タグ:五首選会
posted by きむろみ at 09:52| 企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月13日

ネプリつくりました。

……と、これもすっかり時期を逸してしまいましたが今夏、ネットプリントに初挑戦しました。

ネット歌会うたの日が主催したネプリまつりに寄せたものです。
目指した折本は今回諦めてw、シンプルにA4サイズの縦書き、Wordづくりで17首を載せました。ああ、ちゃんと前準備して折本の勉強しとくんだった。
イラストは自前が好きなこともあってポピーの花をさくさくと描きました。タイトルは、むう、朴訥と笑われそうですが「ごはん一膳」。身の丈ほどの歌しか詠えませんので、それなりに侘びしい暮らしぶりを(笑)
短歌一武道会にも出した「川の字のどこに眠るかたしかめて 生者のほとりいまだしずかに」も載せましたよー……って、過去形ですが。すみません。

ブログで宣伝しなかったのは生業が忙しかったのもありますが、肝心のネプリで字足らずという間抜けをやってしまったこともあり。あまりにイージーミスでショックだったー。
popy.png

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タグ:短歌
posted by きむろみ at 23:32| 企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月31日

短歌一武道会に参加する

もうひと月過ぎてしまいましたが、短歌一武道会という企画に参加しました。
4月26日(日) 〜 5月6日(水)の期間中、128名の参加者のトーナメント戦での死闘が繰り広げられ……エー、ワタクシ見事に初戦で散りました。結社やネット短歌会に所属していないのでわからなかったのですが、どうやら対戦相手の大葉れいさんは相当な実力者だったような。
……あー初心者でよかった、物怖じしないってステキ。

『夜』の題詠で詠んだのはこちら。 
川の字のどこに眠るかたしかめて 生者のほとりいまだしずかに

78点VS40点の大差負けだったのですが、負けより評をいただいたのがとてもありがたく嬉しかった!
まかり間違って勝ち抜けたらどうしようと、後からゾッとしました。ゾッとした……というのも、Twitterで名を聞いた歌人が初戦敗退したり鳥肌立つような歌の攻防があったり、で。物怖じしなかったから企画にも参加できたし、あどけなく投票できたのでアリマスヨ。参加しないと分からない怖さ?

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あと、このブログにイラスト載せるのはどうかと躊躇ったりもしたのですが、短歌一武道会で「スゴイ!」と感動した歌のイメージ画とか描いたりもしました。

こちら。↓↓続きを読む
タグ:短歌
posted by きむろみ at 22:26| 企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月09日

光の歌を詠う

光の短歌コンテスト」というのがありまして。
『応募期間は3月7日から4月1日まで、優秀作品はlysリュースメンバーにて短編映画化し、当サイトやイベントなどで発表』という内容にうきうきと参加してみたのでした。
既詠で七首、「光」で検索すると結構たくさんつくっていました。
機会があればどんなワードで一番つくっているのか知りたい。自分の言葉の傾向って、どんな感じなんでしょうね。
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過ちの光だったか問えもせず光年さきの星を浴びてる
この星の二千と五十三回の過つひかり発されるまま
CQ,CQ, 忘れては思い出す雲間に光るわたしはここよ
右目から左目へ抜く20時の2両編成ひかりのテープ
神さまがつくるオムレツ暮れるからひかり休みの終わりは黄色
いつまでも子どもでいたい夏休み 光と闇と手をつなぐ夜
いつか死ぬそのあいだにもひかり増す君だからこそ好きになるのだ

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七首、挙げたところで、あまりにも巻き込みリプによる妨害が止まないので残念でしたが主催者@lyssupportさまに「私ごとブロックしてください」の旨のツイートをしました。
『気になさらずに応募なさってください』と温かいお返事を頂き、そのままtogetterにも掲載していただいてます。
数年来続く嫌がらせ・付きまといですが事情をご理解していただける方がいらっしゃると本当に有り難い。。

これからも光の方を向いて、詠っていこうと思います。
そして親愛なる友人へ

はじまりの声を聴くためかざされたひかり、あなたに言おうWelcome!
posted by きむろみ at 00:15| 企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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