2015年12月15日

五首選会参加・自選五首(題詠blog2015)

はいほー通信の中村成志さんが企画する、≪題詠100首2015 五首選会≫に遅まきながら参加いたします。
今記事は自選五首。

003:要
それぞれに帰れる場所を持ちながら明日は要らぬと抱き合う小部屋

011:怪
怪しさを引き剥がしたら滲むのは孤独であろう人とバス待つ

034:前
百合さんが今際の際の手を前に伸べる こちらが明日なのだね

052:サイト
メモリアルサイトといえばぎこちなくあなたをよんでただ泣いてきた

091:略 
「ニシキヘビ、ヤマアラシを飲み込んで死ぬ」略せられしかヤマアラシの死



読み返すと題に寄りかかって歌が自立できてないなあと煩悶しつつ。
「関わる」という自テーマで五首拾ってみました。
タグ:五首選会
posted by きむろみ at 19:31| Comment(8) | TrackBack(0) | 企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

しま・しましまです。
100首まとめてあると、
ドラマチックなお歌が多いんだなっていう印象でした。
「あっと思う歌」を五首選ばせていただきました。

002:急
急須から注がれてくるかなしみは受け止めきれぬほどの熱さで

022:砕
高貴な食べ物のように摘まんでも蒼く砕けたじいちゃんの骨

041:扇
まろやかな酢であるらしく扇ぐ手の二つゆっくり花ちらし寿司

048:負
ぬかるみに挑んで開く我が足の実のところは負け続けてる

091:略 
「ニシキヘビ、ヤマアラシを飲み込んで死ぬ」略せられしかヤマアラシの死


002の歌が一番好きかもしれません。「急須」でお茶を淹れるという場面は、激しい感情が溢れるような場面とはあまりそぐわない気がしますが、それだけに、読者である私も、多分主体自身も、驚くぐらい悲しんでいたことを知らされるようでした。
041の歌は、穏やかで明るい情景ですが、とにかく結句の「花ちらし寿司」がいいなと思いました。色鮮やかなちらし寿司がぱっと眼前に浮かぶようで。
「まろやか」「扇ぐ手」「花ちらし」の語感の明るさと、「あるらしく」「ゆっくり」の穏やかな感じも好きでした。
Posted by しま・しましま at 2015年12月18日 13:59
「食」五首


025:さらさら
さらさらと粉、雪、さとう、塩釜市、生きてくときのこわれゆくもの

041:扇
まろやかな酢であるらしく扇ぐ手の二つゆっくり花ちらし寿司

049:尼
尼崎「が」の字どちらに入れるかと悩むケーキを切り分けながら

051:緯
太陽と名つく果実に刃を入れる北緯あたりは深く静かに

097:騙 
騙された怒りもて剥く烏賊二杯シンクに落ちる余熱の蒼く


読み終わって、しんとした心持ちに包まれました。
きむろみさんの歌は、地に足が着きながらも、どこか位相がずれているような不安定さも感じさせます。
今回はたまたま「食」というテーマで選ばせていただきましたが、好きな歌ということで言えば、とても5つでは収まりきらなかったでしょう。
もう一度、時間をかけて読み直したい100首です。
Posted by 中村成志 at 2015年12月18日 19:08
『わんこ好み五首ーぞわっとこわい』

002:急
急須から注がれてくるかなしみは受け止めきれぬほどの熱さで
012:おろか
おろかさはピアノの蓋を開けたがり柩であると打たれて気づく
022:砕
高貴な食べ物のように摘まんでも蒼く砕けたじいちゃんの骨
034:前
百合さんが今際の際の手を前に伸べる こちらが明日なのだね
091:略 
「ニシキヘビ、ヤマアラシを飲み込んで死ぬ」略せられしかヤマアラシの死

気になるお歌をチェックしていくと……
おお、これはじわじわこわい……そんな五首になりました。

特に「おろか」は自分が棺の中で打たれている音を聴く場面を想像していまいました。
これはこわい(/ω\)

「うたの日」ではお世話になっていますm(__)m
五首選会に参加くださってうれしいわ。これからもどうぞよろしく。



Posted by わんこ山田 at 2015年12月19日 11:53
009:異
それぞれを異物とみなす僕らにも1たす1が2になる予感

049:尼
尼崎「が」の字どちらに入れるかと悩むケーキを切り分けながら

051:緯
太陽と名つく果実に刃を入れる北緯あたりは深く静かに

057:析
分析をすればするほどすればするほどしなくても分かりあえない

081:付 
取り取りの付箋を貼って読み終える本に極楽鳥が現る

少し解釈を迷う歌もあったので、自分なりに理解した中で、「いいな」と感じた歌を選ばせていただきました。

「009:異」「057:析」は、自己と他者の関係性を詠まれた歌だと思いました。
「009:異」はその関係性にポジティブなものを、
「057:析」はネガティブなものを感じている歌として受け取りました。

いちばん好きだったのは「081:付」の歌。
仕事で校正をしているとき、赤字や疑問を書き込んだページに付箋を貼っていくと、
最後はまさにこんな状態になります。
一読して、鮮やかな情景がぱあっと浮かびました。
Posted by 五十嵐きよみ at 2015年12月19日 12:13
きむろみさんへ
「量りにかけられることへの抵抗」と読んでいただいて、嬉しく思います。
けれど、定型という「量り」にかけざるを得ないというところが、短歌の残酷さであり、面白さなのでしょうね。
もっと微かな声を届けられるようにしたいです。
ありがとうございました。
Posted by 中村成志 at 2015年12月20日 08:31
「いつまでも願いかないませんよう」と流れる星は願うのでした


「流れる星は生きている」

朝のニュースで、今夜はナントカ流星群を見ることができます、とお天気お姉さん。
「金、金、金…」
「女、女、女…」
と願う輩に真空飛び膝蹴り。


一生が勉強と云う学び舎を今日は行き過ぎ野に咲くあざみ


いいですね。「野に咲くあざみ」の結び颯爽。「今日は行き過ぎ」明日は明日の風が吹くとか。


特別な人を愛したわけでなく笑うと笑う縁を愛した


「笑うと笑う縁」がいい。そうでない縁もあるし。
「特別な人」。知ることができてよかったと思えるような。好意というよりも敬慕に近い感情。そういう人を「愛したわけでなく」あのひとの笑くぼに。


恋に恋する日を待って本棚の氷室冴子は微笑んでいる


「氷室冴子」「恋する」とくれば女たち。
斉藤由貴のファンだったので映画館に足を運びました。原作本を手に取ったのはずっと後。
初めて読んだ氷室作品は「海がきこえる」。以降「さようならアルルカン」「なぎさボーイ」「多恵子ガール」……………「恋する女たち」

「少女小説家は死なない」

氷室さんが旅立たれて幾度目かの冬。記憶の本棚にコバルト文庫は眠るいまでも。


095:申 
万有に働くと云う引力は申し分なく恋を裏切る

045:売
恋人を忘れられない胸穿ち染めた靴です、安く売ります


最後の一首をどちらにしよう「裏切る」か「売ります」。
何度か目読するうちに心に引っかかる方を選択。穿つ、という表現に血染めのトゥーシューズ。「安く売ります」と言われても手が出ないけれども。



こんばんは。 百首読ませていただきました。ありがとうございます。
Posted by 東馬想 at 2015年12月20日 17:23
こんにちは、千原こはぎと申します。
先日は「五首選会」にてコメントをありがとうございました。
時間が取れず期間内にコメントをお返しすることが出来ず、遅刻しての参上となりましたことをお許しくださいませ。

きむろみさんの100首から好きな歌5首です。

002:急
急須から注がれてくるかなしみは受け止めきれぬほどの熱さで
005:中心
中心に火が通るまでよく熱し飛び立つときは不死鳥と呼ぶ
011:怪
怪しさを引き剥がしたら滲むのは孤独であろう人とバス待つ
041:扇
まろやかな酢であるらしく扇ぐ手の二つゆっくり花ちらし寿司
079:筆
電脳の恋なればこそ筆跡の代わりに愛でるフォントメイリオ

急:「かなしみ」を「熱さ」で表現することにハッとしました。どちらかといえば冷たいものという印象だったので。でも熱いほどのかなしみ、確かにありますね。
中心:よく熱したあと、飛び立つもの。それを不死鳥と呼ぶという流れが圧巻でした。
怪:バス停にいる「怪しい人」、本来なら負の感情を抱いてもおかしくないところ、その奥を見つめる主体の目に何とも言えない温かさを感じました。
扇:子どものためにきつくないお酢で作るちらし寿司。小さくふんわりとした二つの手が見えてくるようです。
筆:明朝でもゴシックでもなくメイリオというところがいいですね。着眼点も面白いと思いました。
Posted by 千原こはぎ at 2015年12月21日 16:37
五首選会、お疲れ様でした〜 ^^) _旦~~

うたの日ではあまり評を書けなくて……(評をいただく嬉しさを知っているのにダメね)
全首評とかしてくださる方はもう最大のリスペクトを〜(^^)/

また来年もご一緒できますように(*'▽')
Posted by わんこ山田 at 2015年12月21日 18:13
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/431217277

この記事へのトラックバック